学 名：Xenopus laevis
英 名：African clawed frog
分 布：南アフリカ
全 長：１０センチ前後
特 徴：完全水棲カエルです。名前のとおり後肢の３本に黒い爪があります。実験動物、特に発生の実験によく使われるのでご存知の方も多いでしょう。また、ツボカビの感染源としても有名です。そのため、大型熱帯魚のエサとして売られていたのが、今では全く姿を見なくなりました。無舌類と言うことで、普通のカエルのように舌をべろ～んと延ばして獲物を捕らえるようなことをせずに、前肢指先にある感覚器官を駆使してエサを探し、口にかき込んで食べます。その様子はとてもかわいらしく楽しいものですが、それ以前にとにかく地味なグレーのまだらの体色からか人気はありません。じっくり飼い込むとそれなりにおもしろいカエルです。アルビノや白色黒目の白化個体などもいます。
飼育環境：６０㎝水槽以上は欲しいところです。水草などを入れても良いですが、すぐにぼろぼろにされてしまいます。とにかくキック力が凄くてよく暴れるのでガラス水槽内にアクセサリーなどを入れることは危険です。アクリル水槽ならたぶん大丈夫です。メンテナンスのしやすさからもベアタンクで十分です。エアリフト式のフィルターはあまり好まないようです。外部パワーフィルターを使用します。ただ、脱皮ガラやフン等のゴミがかなり出ますのでこまめにフィルター掃除と水替えをする必要があります。
エ サ：生き餌でなくても何でも食べてくれます。ひかり胚芽沈下性をメインにひかりらんちゅうベビーゴールドなど金魚のエサや小さくカットした砂肝などをあたえます。
繁 殖：簡単です。ただし、しっかり成熟したペアが必要です。通常１年半から２年くらいの個体が良いようですが、狭い水槽内で飼育している場合、なかなか繁殖できるサイズに育てることが難しいです。繁殖できるペアがそろえば、あとはホルモン剤を使えば一番簡単なのでしょうが、普通の人にはゴナトロピンなどのホルモン剤を入手することは困難ですので、冷蔵庫法をお薦めします。この方法を実施するに当たっては繁殖専用の冷蔵庫をお持ちの方以外は家族の了承が必要ですよ。１回の産卵で１０００個以上産むので無理して繁殖する必要もないでしょうが、自分で手軽に繁殖させる喜びを味わえる数少ないカエルでもあります。詳細については別記します。
そ の 他：とにかく体がぬるっとしていてパワーがありじっとしていることがないので素手で捕まえることがかなり難しいです。日本でも一部で帰化したり某池で大量発生しているというニュースなどもあります。それを受けてか、要注意外来生物リストに挙げられていて、「被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物」とされています。気をつけないと特定外来生物に指定されてしまうおそれもありますので、くれぐれも野外に逃がしてしまうことのないように注意しましょう。
