カエルの繁殖は簡単そうで結構難しいものです。

もちろんうまく繁殖されているマニアな人もいます。

何が一番難しいかというと産卵させることです。産卵さえうまくいけば、あとは野となれ山となれです。産卵の前段階として、抱接という行為があります。抱きつくところまではいくのですが、その後の産卵に至らないことがよくあります。メスが抱卵していないのが原因だと思われますが、相性というのもありそうです。それから、繁殖できる程に性成熟させることも結構大変なようです。

そんな中でかなり手軽に繁殖を体験できるのが、「アフリカツメガエル」です。発生実験などでよく使われるので、高校、大学の生物の授業で体験された方もいることでしょう。ただ、実験で使う場合は時系列観察が必要なため、正確な産卵調整がなされます。すなわちホルモン剤の使用による産卵誘発です。もちろんこの方法が一番簡単確実ですが、普通の人がホルモン剤を入手することは非常に困難です。

そこで一般の人が産卵誘発する方法として冷蔵庫を使った方法というのがあります。カエルを冷蔵庫で2週間ほど低温状態にしてから取り出すことによる疑似冬眠を体験させる方法です。これなら一般の人でも十分に可能です。ただし、冷蔵庫にカエルを入れるので、家族の了解を得られないとダメですよ。もちろん専用冷蔵庫を用意しても良いですが…。
さて、この冷蔵庫法は北大アフリカツメガエル研究グループのホームページ「冷蔵庫を利用した繁殖」として掲載されています。インターネットでいろいろ調べてみましたが、実践記録のようなものはありませんでした。そこで、私が実際にやってみました。

方法
1.まずは性成熟したペアを用意します。自分で育てたカエルが使えれば一番良いのですが、養殖業者から買うのが一番確実です。私の場合は「ゆめさき養殖」さん(http://398133.com/yumesaki/)から♀100g♂60gのペアを購入しました。アフリカツメガエルを扱っている所は他にも「ワタナベ増殖」さん(http://www5d.biglobe.ne.jp/~zoushoku/)などがありますので、ネットで「アフリカツメガエル 販売」で検索すればすぐに見つかるはずです。

2.疑似冬眠を体験してもらうため、何日かエサ抜きにします。もちろん購入時に繁殖に使うからエサ抜きにして送ってもらうことも可能です。

3.エサ抜き断食が完了したら、適当な大きさのプラケにペアを入れて、いよいよ冷蔵庫に入れます。出来れば業務用冷蔵庫が良いです。それも開け閉めする頻度の少ないもの。家庭用冷蔵庫だとどうしても開け閉めが多いことと、それによる温度変化が激しいので出来るだけ奥の方にセットしましょう。温度設定が出来るのであれば8℃くらいが良いようですが、それほどシビアになる必要はありません。

4.だいたい2週間冷蔵庫に入れておきます。ただし、死んでいないか確認だけはしておきましょう。滅多なことでは死なないと思いますが、一応気にとめておきましょう。それと同時に40〜60リットルくらいの冷水を用意しておきます。

5.2週間以上冷蔵庫に入れておいて出せる状態になったら、まず、45p以上の水槽に冷水をたっぷり入れます。その水に対して0.5%となるように塩を

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